みがき棒鋼とは
弊社のサービスの一つとしてみがき棒鋼の販売、加工をおこなっております。
みがき棒鋼とは主に冷間引抜によって製造された鋼材のことで、冷間引抜は鋼材をダイスと呼ばれる穴の開いた工具に通し、冷間で引き抜くことでみがき棒鋼に加工する方法です。
みがき棒鋼は表面に光沢があって、非常に寸法精度の良い真っ直ぐな鋼材です。
そのまま部品材料として用いられたり精度の良さから、精密加工などで重宝されます。
鋼種も様々で代表的なところでいうと、
- 普通鋼(SS400、SGD3M)
- 炭素鋼(S45C、S45CF)
- 快削鋼( SUM24L相当)
- クロムモリブデン鋼(SCM415、SCM435)
- ステンレス鋼(SUS304、SUM303)
- 炭素工具鋼(SK4F)等
硬さや用途によって使われる鋼種は様々です。
普通鋼(SS400、SGD3M)とは
普通鋼とは、炭素(C)・ケイ素(Si)・マンガン(Mn)・リン(P)・硫黄(S)の化学成分が含まれていて、炭素含有量が比較的低い鋼材です。
業界では主にSS400や SGD3Mとかで呼ばれている鋼材です。
普通鋼は強度や硬度のバランスが良く加工や溶接が容易で、一般的に広く普及していて比較的低コストで入手でき、建築、橋梁、造船、自動車、機械など幅広い用途で利用されています。
炭素含有量が低く、焼入れ性が悪く、硬度を得ることができず、熱処理をせずに使用することが前提にあります。
SS材は成分規定がなく、炭素量が低い鋼材です。炭素量が足りないため、焼入れ性が悪く、硬度を得ることが出来ません。
SS材は熱処理をせずに使用するのが前提であり、熱処理を施す用途には炭素量を細かく規定している機械構造用炭素鋼(S-C材)を用いるのが一般的です。
炭素鋼(S45C、S45CF)とは
ここでは機械的構造用炭素鋼のことを指して取り上げます。
炭素の含有量が0,1%〜0.6%で代表的な代表的な鋼種ではS45C、S35C、S55Cなどがあります。
数字の部分が炭素含有量に比例して数字が上がれば炭素含有量が多いというとこになります。
炭素の含有量が高ければ高いほど鋼として硬度は上がり変形に強くなりますが、同時に脆くなり強い衝撃を受けると砕けやすくなります。
鉛筆の芯を思い浮かべたら、イメージしやすいと思います。「硬いが脆い」まさに鉛筆の芯ですね。
また焼入れなどの熱処理によって、耐摩耗性や硬さなどのコントロールもできるので、汎用性が高いですが、逆に熱により性質を変えやすいので溶接には不向きです。
精密機械部品、強度が必要な部品、歯車などの耐久性を求める機械部品に多く使われます。
錆びやすので防腐処理も大事です。
S45CとS45CFの違い
S45Cとは炭素量が約0.45%で特徴として強度と靭性のバランスが良く、汎用的な中炭素鋼です。
また、焼入れ・焼戻しによる熱処理が可能です。
機械部品(シャフト、ギヤなど)によく使われます。
S45CFとはS45Cに快削性を加えた材質です。
硫黄(S)や鉛(Pb)などを添加して切削加工をしやすくしています。
一般的にはS45C快削鋼やS45C-Fと表記されることもあります。
S45CFは加工がしやすいですが、溶接性や靭性がやや劣ることがあり、高い強度を求められる部分には、通常のS45Cが使われることもあります。
快削鋼(SUM24L相当)とは
開削鋼とは切削加工をしやすくするために、特別な元素を添加した鋼材です。
特徴として加工がしやすく、工具の摩耗が少ない。加工時間の短縮が可能で、大量生産に向いているなどがあります。
注意点としては、強度・溶接性・延性などは通常の鋼材より劣るこたがあり、硫黄(S)や鉛(pb)などの成分により、耐食性や靭性に影響が出ることがあります。
簡単にいうと「加工しやすさ重視の鋼」で削るのに時間がかかったり、工具がすぐ摩耗するような場面で特に重宝されています。
クロムモリブデン鋼とは
クロムモリブデン鋼とは、クロム(Cr)とモリブデン(Mo)を主に添加した合金鋼です。
JIS規格では「SCM鋼」と言う名称でよく知られています。
特徴として、熱処理によって非常に高い強度が得られ、高靭性で衝撃に強く、割れにくいです。
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- 特殊鋼販売技師1級
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